AMGはメルセデスベンツの優れたチューニングブランドとして知られており、世界中の自動車ファンに愛されていることで有名。日本での人気も高く、中古市場の価格も高騰しています。リセールバリューも高く、投資対効果の側面でも価値の高い一台となるでしょう。
この記事では、AMGの基礎知識と中古相場、中古車を購入する際の注意点を解説します。
メルセデスAMGとは?
AMGは、日本の正規ディーラーでは「エーエムジー」と表現しています。よく「アーマーゲー」と呼ぶ人がいますが、これは日本の一部の人の呼び方です。ドイツ語っぽく聞こえる「アーマーゲー」ですが、ドイツ語としての読み方でも誤りです。
ドイツ語では「アーエムゲー」と読みます。ヨーロッパ圏において、Mを「マー」と表現する言語はありません。「アーマーゲー」の語源はわかりませんが、呼び方として正しいものとは言えません。
ルーツとブランドの確立
AMGは1967年にレース用自動車開発会社として創業しました。共同創業者のアウフレヒト、メルヒャー、アスパッハの3名から頭文字をとって社名にしています。
その優れた技術力でレース界から一目置かれるようになり、やがてメルセデスベンツの乗用車のチューニングを手掛けるようになりました。AMGは1999年にダイムラークライスラー(当時メルセデスベンツを展開していた会社)が株式の一部を取得。2005年に完全子会社化されました。
AMGはもともと加速性能が優れているFR(後輪駆動車)のみを扱っていましたが、2013年からは4WD車などを扱うようになりました。
AMGのエンブレムには、エンジンの生産拠点だったドイツのアファルターバッハを象徴するリンゴの木と、エンジンの主要な部品であるカムとバルブが描かれています。それを古代ギリシャの競技会で勝者に与えられる月桂樹が囲んでいます。
創業当時のレース向けエンジン設計会社という思想が、この中に閉じ込められています。
そのため、AMGの自動車は基本的にはサーキット仕様であるという特徴があります。乗り心地は快適というよりも、レース向けの力強い印象を受けるでしょう。
AMGが手掛けた車両は通常のモデルの2~3倍程度で取引されました。本物は手組みのエンジンをのせる他、ブレーキや足回りが全く別物でした。通常モデルにAMGのバンパーやホイールを付けるオプションも日本では人気で、このようなドレスアップカーであれば、数十万円をプラスするだけで購入することができました。
2015年からはメルセデスベンツが、メルセデスAMGを立ち上げ、チューニングカーという位置づけから、戦略的なハイパフィーマンスブランドの一つとなりました。
人気車種
AMGにはどのようなモデルに人気が集まっているのでしょうか?鉄板とも言えるものが以下の3つです。
- AMG Gクラス
- AMG GT
- AMG SL
AMG Gクラス
新車価格が2,000万円を超える超高額車であるにも関わらず、飛ぶように売れているのが、AMGが手掛けたG63です。Gクラスの販売車の中で、ハイクラスのG63が大半を占めていると言われています。
外装はオフロードですが、G63はインテリアがスポーティなデザインでギャップがあります。無骨な外見と豪華で引き締まった内観は、このモデル最大の魅力と言えるでしょう。
エンジンはV8直噴DOHCツインターボの3982cc。トルクが強く、重量のある車体を軽々と運ぶパワーがあります。力強い走りでオフロードらしい振動が楽しめる一方、路面に吸いつくような安定感のある走りが特徴です。
AMG GT
メルセデスベンツのスポーツモデルで、ポルシェ911を狙い撃ちしたとも言われるハイパフォーマンスカーです。AMGの原点とも言えるレーシングカーを彷彿とさせるスポーツ性が最大の特徴です。
美しい流麗な曲線を描く外観と、航空機のコックピットを模したという機械的な内装も人気で、多くの自動車ファンを虜にしてきました。メルセデスベンツのスポーツカーというと、この車を連想する人も多いかもしれません。
エンジンは、旧モデルのSLS AMGの特徴だったV8 6.2リッターから、V8 4.0リッターの直噴ツインターボに変更。猛々しいタイプに生まれまわりました。
2015年に日本でAMG GTを市場投入したタイミングで、メルセデスAMGというブランドを新たに立ち上げました。このブランドはメルセデスベンツのハイパフォーマンスモデルとしての役割を担うもので、ラグジュアリーブランドだったメルセデスマイバッハとともに主力ブランドに位置づけられました。
マイバッハは高級車、AMGはレーシング・スポーツモデルを得意としています。
AMG SL
AMG SLは2022年10月に日本で販売されました。ラグジュアリーロードスターモデルで、直列4気筒2.0リッターターボエンジンを積んでいます。電気モーターの力でターボチャージャーのレスポンスを上げるというユニークなシステムが導入されてます。
この技術はメルセデスベンツがF1で培ったもので、レーシングカーのチューニングを手掛けてきたAMGの真骨頂とも言うべきものでしょう。
デザインはGTよりも控え目で、クールな印象を与えます。その見た目とは裏腹に激しいエンジン音とパワフルな走り、軽量な車体特有のキビキビとしたハンドリングが楽しめます。
メルセデスベンツAMGの中古相場
AMGは中古車であっても高値で取引されています。安く手に入ることはないと考えてください。
ただし、このクラスに手を出すのは経営者などの富裕層であることが特徴で、減価償却費による税金対策を目的として購入するケースがあります。
その場合、減価償却が終わると売却し、次の車を購入するというサイクルを繰り返します。4年程度が経過したモデルを見つけること自体は、さほど難しいものではありません。
AMG G63
3,000万円~
人気車のために中古車は多く出回っていますが、安くても2,000万円台後半で取引されるのが一般的です。新車販売価格よりもやや高い値段で扱われています。
中古車購入時の注意点としては、年代の古いモデルはエアコンのコンプレッサーが経年劣化で故障するケースがあり、修理代として数十万円かかるということです。
それ以外にもラジエーターや発電機など、熱の影響を受けやすい部品が故障しやすいという問題があります。
前のオーナーが大切に乗っていたかどうかを判断する方法として、オイルキャップを外して見せてもらうと良いでしょう。真っ黒になっていると、オイル交換せずに長く乗っていた可能性があります。
AMG SL43
1,200万円~
新車価格は1,648万円です。中古市場ではやや安い金額で取引されています。SL43は直列4気筒ターボという初の4気筒エンジンを積んでおり、これが賛否両論の的となっています。
GTを市場に送り出したメルセデスは、同じラグジュアリースポーツのSLの差別化に苦心しました。そこで、軽さとパワーを意識したエンジンを搭載したのです。
AMG SL43は安い中古車を見つけられる可能性もあります。
AMG GT
1,000万円~
新車販売価格は1,440万円でした。発売から長い年月が経過していることもあり、中古市場では稀に1,000万円を割り込むものを見かけるようになりました。
販売開始後、年代によってデザインやパフォーマンスが若干異なります。販売台数が多かったため、中古車選びの楽しさを感じられるのもこのモデルの特徴と言えます。
AMG E43
400万円~
AMGを手軽に楽しめるのがAMG E43です。Eクラスのハイパフォーマンスモデルとして2016年にラインナップされました。新車販売価格は1,149万円です。
AMGの手軽なセダンを探しているのであれば、おすすめできる一台です。
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メルセデスベンツAMGの中古車を購入する際の注意点
中古のAMGを購入する際には、どのようなことに気を配れば良いでしょうか?そのコツを紹介します。
信頼できる店舗を選ぶ
何より大切なのは、信頼できる店選びです。大手チェーンか個人店が良いかで迷うこともありますが、どちらが優れているということはありません。ただし、海外の自動車を多く扱っているお店の方が良いでしょう。
AMGはレースで培った技術が使われており、その道に精通した技術者でなければ、一般のドライバーに提供できるレベルに仕上げることができません。
インターネットの口コミを事前に確認したり、お店の販売員や整備士に話を聞いて丁寧な答えが返ってくるか様子を見るなど、慎重に販売店を選んでください。
アフターサービスの有無を確認する
新車はメーカー保証がついていますが、中古車は販売店や車の状態で補償内容が異なります。長距離を走った中古車や、長期間保管されていた中古車は、必ず部品が劣化しています。
車の状態にもよりますが、3か月から半年程度の保障がついているお店、中古車を選ぶと良いでしょう。
故障が多いことを覚悟する
新車であっても、トヨタやホンダなどの日本車と比べて、メルセデスベンツは故障が多いと言われています。これはドイツと日本で走行環境が異なるためで、渋滞が多い過酷な日本の道路状況をあまり想定していないのです。
中古車だと特に、電気系のトラブルやエアコン、オイル漏れなどが起こりやすいことを覚悟してください。
維持費が高いことを把握しておく
メルセデスベンツはハイオクガソリンが基本で、ただでさえ維持費はかかります。そこに修理代などの金額が上乗せされるため、維持費は嵩んでしまいがちです。
程度の悪い中古車を購入すると、新車よりもお金がかかったということにもなりかねません。
購入時のチェックポイント
中古車を購入する際に見るべき箇所は以下の通りです。
- 年式
- 走行距離
- 修理歴
- 装備
- 内外装
- 車検の有効期間
年式
年式が古い車であるほど、安くなるのが一般的です。しかし、AMG GT Rのように販売終了となった人気モデルは、高値で取引されることがあります。
同じAMG GTでも、年代やレンジによって価格が異なることに注意してください。相場を見極めることが重要です。
走行距離
走行距離は価格に反映されることがほとんどです。ただし、距離を乗っていないからといって、長期間保管されていた車は要注意。自動車は乗り続けることで調子を良くするものです。長い間使用していないと、ゴムなどのパーツは劣化しやすいと言われています。
事故歴・修理歴
中古車販売において、事故歴を開示する義務はありません。しかし、フレームなどの骨格部分を修理した車は修理歴を明記しなければなりません。
バンパーやボンネットなど修理は開示対象外です。基本的には質問すれば、修理歴は店舗が把握している限りは答えてくれます。
事前に確認するのが良いでしょう。
装備
AMGは特別な装備を備えていることが多く、すべてがオリジナルのものとして備わっているのかを確認してください。
中古車は、一部のパーツが別のものに交換されていることがあります。
内外装
ボンネットの傷やへこみはもちろんですが、内装ももとの状態を保っているかチェックしましょう。
AMGは美しいインテリアも特徴の一つです。見落としがないようにしてください。
車検の有効期間
Gクラスの車検を通すとなると、10~20万円程度かかるのが普通です。車検がどれだけ残っているのかも必ず確認してください。
人気の高額車を手に入れる際は慎重に
AMGはラグジュアリーとハイパフォーマンスを兼ね備えた、メルセデスベンツの中でも主要なブランドの一つとなりました。日本を問わず世界中で圧倒的な人気があります。
中古市場でも高値で取引されており、売却時の評価額も高くなるポテンシャルを秘めています。
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