自動車を売却したいと考えているものの、何から手を付ければ良いかわからないと悩んでいる人は多いかもしれません。個人取引、ディーラー下取り、中古車買取専門店のどこで売るのが一番なのかも判断しかねます。
自動車の売却は決まった一連の流れで進めると、スムーズかつ高値で売れる可能性があります。買取の流れを知って満足度の高い自動車の買い替えを行いましょう。
車の買取を進めるステップは？
自動車を売る際は以下の流れを意識してください。
ステップ①：売却額の相場を把握する
ステップ②：売却方法を決める（個人間・ディーラー下取り・中古車買取専門店）
ステップ③：必要書類の準備
ステップ④：査定をしてもらう
ステップ⑤：引き渡し
それぞれの項目について解説します。
売却額の相場を把握する
自動車の大まかな金額を把握することが、最も重要です。自動車を買い替える際、ディーラー下取りに出して、言い値で売却を進めてしまうケースをよく見かけます。
ディーラー下取りは、次に乗りたい車にスムーズに乗り換えられるという大きなメリットがあります。納車日までその車に乗っていられるため、利便性が高いという面もあります。
しかし、ディーラー下取りの場合は査定額が低かったり、価格の決め手が曖昧なことが少なくありません。これは、納車日が伸びて距離数が多くなってしまうなど、顧客の都合に合わせているために評価額が定まらないことに起因しています。
また、他社の車であれば、その査定が得意ではないという別の問題もあります。
大まかな売却額を把握していれば、査定額を聞いて違和感を覚えるでしょう。あまりにも乖離があるようなら、下取りを控えて買取専門店に依頼をした方が高くなる可能性があります。
高級車はもちろんですが、軽自動車でも意外なほど高値が付くこともあります。相場を把握せずに売却・処分するのは控えてください。
売却方法を決める
買取専門店、ディーラー下取り、個人間売買など、売却する方法を検討します。方法を決定する要因は、価格と利便性の2つがあります。
一般的に高値で売れるのは、個人間売買、買取専門店、ディーラー下取りの順です。その一方で、新車購入時に利便性が高いのは、ディーラー下取り、買取専門店、個人間売買です。この2つの要素はトレードオフの関係です。
個人間売買の場合、オークションサイトなどに掲載し、買い手候補を探します。人気車であれば、中古車販売店なみの金額で売れることもあります。不動車であっても、パーツを取る目的で買い手がつくこともあります。
しかし、現車確認や価格交渉、名義変更手続きなどのやり取りを自ら行わなければなりません。買い手候補がいつ現れるのかもわからず、資金が必要なタイミングで見つかるかどうかもわかりません。手間と時間がかかります。
買取専門店の引き渡しは査定後に行われますが、明確な規定はありません。事業者と売却希望者の話し合いで決まります。走行距離が伸びてしまうために、引き渡しが長期化することはほとんどありません。
あまりに長くなると、再査定となるでしょう。概ね、査定から2～3週間程度で引き渡し、入金となります。
売却方法の検討は慎重に行ってください。ディーラーや買取専門店などへ査定に出し、場合によっては個人間売買も検討するというのがいいかもしれません。
必要書類の準備
査定をしてもらった後でも構いませんが、書類の準備は事前にしておいた方がスムーズです。ただし、印鑑登録証明書は発行してから1～3か月以内のものが欲しいと言われることがあります。譲渡証明書・委任状の有効期限は3か月以内です。これらの書類は売却が決まった後、取得をしてください。
自動車を売却する際に必要なものは以下の通りです。
| 普通車 | 軽自動車 |
|
|
買取専門店やディーラー下取りの場合、委任状や自動車検査証記入申請書は店舗が用意してくれます。
自動車リサイクル券というのは、あまり聞き慣れないものかもしれません。フロンガスなどを処分するために必要な費用を購入時に前もって支払うもので、その領収書のようなものです。
紛失した場合、「自動車リサイクルシステム」というページで取得できる、「自動車リサイクル料金の預託状況」を印刷したページがその代わりとなります。
査定をしてもらう
査定をしてもらいます。特に買取専門店に多いことですが、売却を即決してもらおうと強引な交渉を行うケースが見られます。値段に満足しないのであれば、断ってください。
複数の店舗にまとめて査定を依頼するサービスがあります。車種や走行距離を入力すると、各店舗の査定額が一覧で見られるというものです。
いちいち店舗に足を運ぶ必要がないので便利ですが、個人情報が各店舗に通知されます。そのため、査定額を提示した後に電話などで連絡が来るのが普通です。買取専門店は自動車を仕入れなければビジネスができません。そのため、先を争うように複数の事業者から連絡が来ます。
査定は複数の店舗に依頼すべきです。自分に合った方法を選択してください。
引き渡し
必要書類を揃え、引き渡します。車内に忘れ物がないことを確認してください。個人情報の保護やトラブル防止のため、カーナビの個人情報や、ドライブレコーダーの記録を削除することをおすすめします。
売却時の注意点
中古車の売却にはいくつかコツがあります。少しでも有利に交渉を進められるようにしましょう。
査定金額の根拠について確認する
素人だと遠慮して、査定額には口を出さない人も多く見られます。しかし、よくわからないと感じた箇所は積極的に聞くようにしましょう。
金額に文句を言うのではなく、根拠が何なのかを聞くことが有効です。査定ではいくつかのチェックポイントが存在します。車種だけでなく、走行距離、内外装、付属品、エンジンの状態などです。
事前に調べた相場よりも大きくかけ離れていたのであれば、どこがマイナス要因だったのかを聞いてください。
ポイントは査定価格に満足できるかどうかです。高額な取引ですので、納得できるまで話し合ってください。
キャンセル規定を確認する
契約を結んだ後は、基本的にキャンセルはできません。しかし、契約を結んだ後で高額で購入してくれる人が見つかったなど、やむを得ない理由もあるでしょう。
もし、実際の契約をしておらず、口約束だったのであれば、キャンセルは可能です。契約書類を提出していない場合も同様です。
書面で契約を交わしているのであれば、キャンセル料の支払いは避けられないでしょう。数万円で済むこともありますが、契約内容にもよります。契約前にキャンセル規定を確認すると、その後の判断に役立ちます。
修復歴を隠さず話す
修復歴は隠さないようにしてください。修理やへこみの修復は、高い確率で査定時に判明します。修理歴がある高級車の場合、数十万円のマイナス要因となります。それを隠したい気持ちはわかります。
しかし、修理やへこみの修復を行った事実を申告しなかった場合、告知義務違反となって損害賠償請求につながる恐れがあります。買取事業者との信頼が崩れて交渉が不利になることもあります。
なお、ガラスの傷を修復したり、サイドミラー・バンパーの交換などは修理に含まれません。申告する必要はありませんが、もしそれを買取事業者に話して査定額が下がるようなら、その理由を聞いてください。
申告する必要があるかどうか迷ったら、正直に話した方が良いでしょう。
信頼できる買取店を選ぶ
大手買取店と個人買取店で迷うという人も多いかもしれません。大手チェーンは信頼性が高く、安心というイメージがあります。しかし、某大手中古車店が修理の水増し請求を行っていたなどと週刊誌で報じられて炎上しました。ブランド力の強い事業者が、必ずしも信頼度が高いわけではありません。
査定を行った際に丁寧に解説してくれるなど、信頼できる事業者は大小の関係はありません。大手と個人店の両方に足を運ぶのがベストかもしれません。
安易な個人売買は行わない
高く売れるからと、慣れない個人売買に手を出さないでください。個人売買は相手から価格交渉されることが多く、やり取りも煩雑です。入金されないなどのトラブルに陥ったとしても、自分で解決するしかありません。
場合によっては名義変更手続きを譲渡する側が行わなければなりません。慣れているのであればトラブルは回避できますが、初めて取引を行うのが自動車というのは避けた方が良いでしょう。
ローンが残っている場合は必ず報告する
ローンが残っていても、自動車を売却することはできます。ただし、条件によって手続きが異なることがあります。必ず、買取事業者に相談してください。
もし、ローン返済中の車の契約に完済前売却の禁止という項目が盛り込まれていた場合、売却はできません。この項目を盛り込んだ契約は、銀行系のカーローンで見かけます。
ローンの契約者と自動車の所有者が異なる場合、名義変更の手続きが必要になります。売却は車の所有者以外が行うことはできません。名義を変更するには、ローンを完済する必要があります。
高く買ってもらうポイントは？
査定価格を少しでも上げるためのコツを紹介します。
車体の清掃を行う
中古車の査定において、洗車してあるかどうかを見る項目はありません。機械的に判断すると、洗車などのクリーニングは価格に影響しないことになります。
ただし、査定するのは人間です。車が磨かれているかどうかは、ファーストインプレッションを大きく左右します。少しでも好印象を与えるため、洗車することをおすすめします。
複数の買取業者に査定を依頼する
複数の店舗や会社に査定してもらうことを基本としてください。査定額は大きく異なるはずです。
特にディーラー下取りを検討しているのであれば、最低でも一つの買取専門業者に査定を依頼しましょう。驚くほど価格に差が生じることもあります。
ディーラー下取りと買取専門店の利便性に注目し、売却方法を決めましょう。
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「買取キャンペーン」などの言葉に惑わされない
買取専門店を中心に、「買取強化キャンペーン」でキャッシュバックや〇%UPを掲げるお店を多く見かけます。この情報に嘘はありませんが、査定額で調整している可能性もあり、キャンペーンの謳い文句に誘われないようにしてください。
キャッシュバックなどを受けられるとしても、それを加味して他店と比較することが重要です。
純正パーツを揃えておく
カスタムパーツで改造する自動車ファンも多いですが、ノーマルパーツは必ず手元に置いておきましょう。特にクラシックカーはノーマルの状態だと査定額に大きく影響します。純正パーツが多いほど高額になるのです。
純正部品がある場合は、その旨を店舗に伝えてください。
コミュニケーションをとる
相手の言いなりになったり、一方的に要求を突きつけるのではなく、コミュニケーションをとるようにしましょう。
金額の根拠や相場との比較など、相手と建設的な会話をすることがポイントです。
相場を調べてからの売却がおすすめ！
車種や年代に関係なく、自動車を処分する際は相場を確認しましょう。それが交渉の材料になります。
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