車を売却する際は査定から売却に至るまで、様々なステップを踏みます。買い手と売り手の間でトラブルが生じることもあり、注意点や流れを抑えておくことは重要です。
また、ディーラーや買取専門店など、売る場所によって価格も異なります。ディーラー下取りに出すと、買取価格は低くなる傾向があります。それにはちゃんとした理由もあります。メリット・デメリットを把握した上で、売却先を選びましょう。
この記事では、車を査定・売却する際に抑えておきたい基礎知識や、注意点、少しでも価格売却する方法を解説します。
車を売却する際の流れ
売却には一連の流れがあり、準備すべきものが決まっています。スムーズに引き取ってもらうよう、各ステップの要点を抑えてください。
- 売却する方法の決定
- 査定の申し込み
- 必要書類の準備
- 査定
- 売買契約
- 引き渡し
- 入金確認
売却する方法の決定
売却する方法は大きく3つあります。1つ目はディーラーへの下取り。2つ目は買取専門店・中古車店への売却。3つ目は個人間での取引です。
簡単にメリット・デメリットを説明すると、以下のようになります。
売却方法 | 売却額 | 手間 | 利便性 |
ディーラー下取り | 低い | かからない | 高い |
買取専門店 | 高い | かからない | 低い |
個人間取引 | 高い | かかる | 交渉次第 |
ディーラー下取りは査定額が低い傾向があります。これは、新車の納車まで車を乗り続けることができるなど、利便性が高いためです。手間賃が発生していると考えるといいでしょう。
買取専門店は査定額が高い一方、契約から数日・数週間後には引き渡しをしなければなりません。納車まで空白期間が生じる可能性があります。
個人間取引は高く売れる可能性が高いものの、名義変更などの手続きや、メッセージのやり取りなど、非常に手間がかかる方法です。
どの方法も一長一短があります。売却時に一番気になる価格面だけを取り出すと、買取専門店がおすすめです。
査定の申し込み
売却方法が決まったら、査定の申し込みを行います。店舗選びは慎重に行ってください。インターネットの口コミなどを事前に確認するといいでしょう。
残念ながら、買取専門店の中には悪徳な事業者がいます。査定を出したら長時間拘束されて売却を迫られたなどの事例が、消費生活センターに寄せられています。
よく大手チェーンと個人店のどちらがいいか気にする人がいますが、一概に言い切ることはできません。大手チェーンは代理店契約だけをしているところもあり、個人店に近い形態の店舗もあります。
店舗を絞り込む際は、口コミサイトやGoogleマップ、SNSなどの評価に目を通すことをおすすめします。
必要書類の準備
売却には以下のような書類が必要です。揃っているか確認するとスムーズでしょう。ただし、印鑑証明書は店舗によって3か月以内などと有効期限を定めているところがあります。注意してください。
- 自動車検査証(車検証)
- 自賠責保険証明書
- 自動車リサイクル券
- 自動車納税証明書
- 実印・印鑑登録証明書
- 委任状・譲渡証明書
委任状・譲渡証明書は買取専門店やディーラーに出すのであれば、基本的には必要ありません。
査定
査定は複数の店舗に依頼することがおすすめです。高く買い取ってくれるところを見つけることができるからです。
最近では一括査定サービスが充実してきました。アプリやWebサイトなどで、車の条件を入力すると、複数の会社や店舗が簡易的に査定してくれるというものです。
複数店舗を周る必要がないため、便利なサービスではあります。しかし、このサービスを利用すると、連絡先などが店舗に伝わり、営業の連絡が入る仕組みになっています。対応するのが煩わしいと感じる人がいるかもしれません。
高級車や輸入車、希少車はプロフェッショナルが在籍する専門店を訪問してください。適正な査定を行ってくれるためです。高級車は高額なオプションパーツが付属しており、その値段を加味しない店舗もあります。
また、国内外の車の相場や希少性を見抜く目が必要です。高級車の売却は必ず専門店に相談しましょう。
売買契約
契約を結んだ後は基本的にキャンセルはできません。じっくり考えてから売却を決断しましょう。ただし、口頭での合意であれば、キャンセルは可能です。
引き渡し
契約を結んでから1~2週間程度で引き渡します。引き渡すタイミングは契約で決まっているため、査定時に確認するといいでしょう。
車内に忘れ物がないように注意してください。
査定や売却での注意点
一連の取引をする上での注意点を紹介します。
キャンセル規定の確認
基本的にはキャンセルはできません。買取専門店は仕入れた車をできるだけ早く売却したいと考えています。人気の車であれば、すぐに買い手がつくこともあります。
次の買い手が見つかっていれば、キャンセルはできないと考えてください。
契約内容によっては、キャンセル料を支払うことで車が戻ってくることもあります。キャンセル規定は確認した方がいいでしょう。
修理歴・事故歴の申告
売り手側は事故歴や修理歴を申告する義務があります。これを瑕疵担保責任などと呼びます。もし、告知せずに売買が成立し、後から修復した跡などが見つかった場合、減額を請求されることがあります。通常、これには従わなくてはなりません。
査定士もプロなので、修理した形跡は査定の段階で見抜くことができます。しかし、毎年数%の割合でミスや見逃しがあることが調査で分かっています。
いらぬトラブルを引き起こさないためにも、気になることはすべて話しましょう。
自動車ローンが残っている場合
売買契約は車の所有者と結びます。ローンが残っている場合、所有者がローン会社などとなっていることが少なくありません。本人でなければ、契約を結ぶことができません。
ただし、一部の買取店などではローンが残っていても売却できます。残債がある場合は、そのような店舗を選ばなければなりません。
ローンが残っていたとしても、名義が本人や家族の場合は売却することが可能です。
自動車税の支払い確認
自動車税は4月1日時点での車の所有者に支払い義務が発生します。12か月分を一度に支払っています。そのため、売却したタイミングによっては過剰に支払った分が戻ってくることがあります。
ただし、法的に還付する仕組みや制度はありません。通常、買取業者が税金分を加味して査定額を提示します。
もし、査定時に税金についての言及がないのであれば、確認するといいでしょう。
任意保険の手続き
任意保険を解約した場合、残りの保険期間の還付を受けることができます。いわゆる解約返戻金(かいやくへんれいきん)です。
中途解約の場合、何%を戻すのかは期間などによって自動的に決まっています。保険会社からの還付を確認しましょう。
自賠責保険の解約手続き
自賠責保険の解約は買取事業者に任せましょう。この保険は廃車にしない限り、解約はできません。名義変更が必要になりますが、その手続きは店舗が行います。
還付も自動的にされるので、心配いりません。
売却時によくあるトラブル
2021年に消費生活センターに寄せられた中古自動車の売却に関する相談件数は前年の1.25倍の1,519件。この分野はトラブルが多いことで知られています。
その背景の一つとして、売り手側が十分な情報を持たないことが挙げられます。いわゆるカモにされてしまうのです。基本的な知識を持ち合わせた上で、トラブル防止に努めましょう。
ここでは、よくあるトラブルと回避法について解説します。
契約後に減額を言い渡された
このケースは、原因が大きく2つ考えられます。1つは故障などの問題を売却時に告知しなかったこと。もう1つは、目に見えないエンジントラブルなどが後から見つかったことです。
前者の場合、減額請求に従うべきでしょう。売り手は告知する法的責任を負っているためです。
後者は事情が複雑です。査定は基本的な動作チェックなどを行いますが、すべてをその場で把握しきれるわけではありません。特にエンジン内の故障はわかりづらく、整備工場で不調が見つかることもあります。
この場合は減額に従うべきなのか、話を聞いて状況を確認することをおすすめします。消費生活センターなどに相談するのも解決策の一つです。自分の責任でないことが明らかな場合は、すぐに従わないで第三者に相談しましょう。
強引な接客
中古車売買でのトラブルが増加している要因の一つに、売り手の高齢化があります。交渉力の弱い高齢者に対して、一部の事業者が強引な接客を行っているのです。
売却する際は、必ず家族や友人などと一緒に行くようにしてください。悪質なケースだと、事務所の外に出そうとしないといったものがあります。どうしても一人で行かざるを得ないのであれば、いつでも電話をかけられるようにしましょう。
支払いの遅延
契約で定められた支払い期限が過ぎても入金がない場合は、契約違反になります。これは明らかに店舗側に過失があります。
店舗に連絡を入れて即座に入金に応じるようなら問題ありませんが、言い訳をするようなら国民生活センターに相談しましょう。
少しでも高く売却するには?
大切な車は少しでも高く売りたいもの。そのコツを紹介します。
買取専門店への依頼
売却額にこだわるのであれば、ディーラーへの下取りは避けてください。買取専門店への依頼がおすすめです。
個人間売買は中古車の販売額と同等の金額で売れることもありますが、非常に手間がかかります。フリマアプリや個人間オークションに知見がない人は、この方法には手を出さないでください。
買取専門店にも”色”があります。高級車を専門とするところもあれば、軽自動車などの大衆車が得意なところもあります。売却するに相応しい店舗を選んでください。
複数の店舗で査定を依頼する
最初から売却候補を1つだけに絞り込むのは止めましょう。複数店舗への相談がベストです。
自動車の査定には一定の基準がありますが、価値を決めるのは市況価格や店舗の方針など、複雑な要因が絡みます。思わぬ高値がつくこともあるため、2店舗以上で検討してください。
出張査定に対応している店舗もあり、さほど手間はかかりません。
クリーニングを怠らない
車が汚れているかどうかは金額には関係ありません。しかし、人の目でチェックする以上、綺麗な状態かどうかは心象に関係します。
また、車のボディは、虫の死骸やトリの糞などが長期間残った状態だと、塗装が激しく痛みます。売却前の洗車はもちろん、クリーニングは頻繁に行ってください。
オリジナルパーツを揃えておく
高級車や輸入車、希少車はオリジナルパーツがあるかどうかが査定額に影響します。クラシックカーなどの希少な車は特にその傾向があります。
パーツを交換する場合は、オリジナルパーツを残しておいてください。
高級車や輸入車の売却はプロが在籍する専門店へ
車を売却する際はステップを理解し、基礎知識を身に着けた上で店舗に足を運びましょう。売る前に相場価格を抑えておくのもおすすめの方法です。交渉材料にすることができます。
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