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走行距離税(走行税)とはどんなもの?日本での導入に向けた具体的な動きや背景について解説

政府の税制調査会が「走行距離税(走行距離課税・走行税)」の導入を検討しているというニュースを耳にしたことがあるかもしれません。

自動車の走行距離に応じて課税されるもので、諸外国の一部で導入されています。2023年5月現在、日本では適用されていません。走行距離税の導入の背景には、電気自動車を中心としたエコカーの普及があります。

財務省や総務省は導入に賛成していると言われており、本格的な電気自動車の普及が始まる2030年には議論が活発化している可能性があります。

批判や反発も多い走行距離税ですが、その内容の理解が不可欠。賛成・反対のスタンスを明確にするためにも、走行距離税について正しい知識を身につけましょう。

走行距離税(走行税)とは?

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走行距離税は車種や用途に関係なく、自動車で移動した距離に応じて課税されるものです。自動車には自動車税や環境性能割などが車体本体に課税され、そこにガソリンなどの燃料課税が加わります。走行税は距離という新たな課税軸を設けるものです。

2022年の税制調査会で検討していることが明らかになりました。

日本で導入しようとする背景

なぜ、走行距離税を導入するのでしょうか。理由は主に2つあります。

  • 自動車を所有しない人の増加
  • 電気自動車の普及によるガソリン税先細りへの懸念

自動車を所有しない人の増加

一般社団法人日本自動車工業会によると、2021年12月末時点での自動車の保有台数は前年比0.02%の減少、乗用車は0.05%の減少となりました。

少子高齢化やカーシェアリングの普及、都市部の公共交通機関の発達の影響を受け、自動車の保有割合は低下しています。

自動車税は地方税として扱われ、地方自治体の貴重な財源になっています。所有者が少なくなることで、税収の先細りを防がなければなりません。そのため、自動車に関連する新たな財源、または既存の課税方式を変更して一定の税収を保とうとしているのです。

電気自動車の普及によるガソリン税先細りへの懸念

電気自動車やハイブリッドカーの普及も、走行距離税導入を後押しする大きな要因の一つ。ガソリン税は、主に道路整備に使用されています。エコカーが広まると、ガソリン税の目減りが懸念されています。

日本は2035年までに、乗用車の新車販売で電気自動車を100%にする目標を掲げています。エコカー普及のための補助金も出しています。本格普及の波を止めることはできません。

しかし、道路の老朽化は進む一方で、補修や置き換え、新たな道路の建設は安全で快適なドライブに欠かせません。

走行距離税が導入されたと仮定して、電気自動車とガソリン車で同一の税率になるのかはわかりません。しかし、電気自動車のオーナーも道路を整備する分を拠出すべきだ、という考え方そのものに納得するガソリン車のオーナーは多いでしょう。

走行距離税を導入している国や地域

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すでに走行距離税を導入している国や地域はあります。アメリカでは低燃費車が普及したことによる財源の確保、ヨーロッパでは道路利用者の負担の公平性の確保を目的としています。

アメリカ(オレゴン州)

オレゴン州では2001年に1度目、2010年に2度目の検討を実施。その後、実証試験を行いました。2015年7月から制度を開始しています。

走行距離に応じた課金がされるもので、税収の使途は道路財源に限定されています。住民へのアンケートによると、走行課税が公平なシステムであるとの回答は、2014年の37%から2016年には56%に上がりました。

導入前には強い反発がありましたが、導入後は理解が促進されたと見るべきでしょう。

ニュージーランド

ニュージーランドでは、1,000kmに対して日本円で5,000円が課税されます。これまではディーゼル車のみがこの走行距離税を課されていましたが、2022年1月1日からは電気自動車などにも適用されました。

事前に税金を払って発行されるステッカーを貼るという仕組みになっています。警察はステッカーの数字と走行距離を確認し、税金を正しく支払っているのかを確認します。

違反した場合は罰金が課されます。

ヨーロッパ(ドイツ、オーストリアなど)

ドイツでは7.5トン以上のトラックに走行距離税が課されています。走行距離はGPS付車載器で把握するというものです。

EUは走行距離税を利用者負担の原則によるインフラ課金として、導入をEU加盟国に推進しています。EUが推奨しているのは、3.5トン以上のトラックに対するもので、走行距離と利用期間に応じた課金を行うものです。

導入のメリット

トヨタ自動車の豊田章男会長がトップを務める、日本自動車工業会が反対するなど、業界内からも反発が強い走行距離税ですが、メリットもあります。導入によって得られるメリットとして、主に以下の3つがあります。

  • ガソリン車と電気自動車(エコカー)の不公平感がなくなる
  • 走行距離が短い人が得をする(人によっては課税負担が軽くなる)
  • 排気量別課税が撤廃される

ガソリン車と電気自動車(エコカー)の不公平感がなくなる

ガソリン税として吸い上げられた税金は道路の整備に使われており、電気自動車のオーナーはそれにタダ乗りしているとも見ることができます。ガソリン車のオーナーは面白く思わないでしょう。

ガソリン税は1リットル当たり53.8円(2023年5月現在)かかります。50リットルのタンク容量の自動車であれば、給油するごとに2,690円の税金がかかっています。月に1回給油する人は、年間32,280円支払っている計算です。

電気自動車は、この税負担がありません。しかも、エコカーを導入する補助金も受けて安く自動車を買っています。

走行距離税の導入でこうした不公平感は解消されます。

走行距離が短い人が得をする(人によっては課税負担が軽くなる)

走行距離税は利用することに対して課される税金です。所有ではありません。そのため、週末ドライバーや自宅近郊を少しだけ運転するような、走行距離が短い人は税負担が軽いというメリットがあります。

自動車税という観点で考えると、同じ排気量の車を所有した時点で一律の税金が課せられます。どれだけ使ったのかは関係ありません。自動車を頻繁に使わない人にとっては、得をする制度にもなりえます。

排気量別課税が撤廃される

走行距離税が導入されると、排気量別課税は撤廃されます。普段はあまり意識することがありませんが、自動車税は排気量によって税額が異なります。

1,000cc以下は25,000円、1,000cc~1,500cc以下は30,500円などと、排気量が上がると税金も高くなります。コルベットやベントレー、グランドチェロキーのように6,000ccを超える自動車の税額は110,000円にものぼります。

走行距離税の導入は、特にクラシックカーやスーパーカーなどの自動車コレクターにとっては大きなメリットとなるでしょう。

導入のデメリット

デメリットは新たな不公平感が生まれることや、システム導入の煩雑さ、事業者への負担が重いことなどが挙げられます。

  • 公共交通機関が整備されていない地方都市に住む人の負担が大きい
  • 課金方法確立に長い時間がかかる
  • 走行距離測定で個人情報が漏洩する可能性がある
  • 運送会社など長距離を走る事業者への負担が重くなる

公共交通機関が整備されていない地方都市に住む人の負担が大きい

北海道の牧場地帯と東京都の中心街に住む人とでは、自動車の移動距離に大きな乖離が生じます。都市部ではスーパーマーケットやコンビニエンスストア、病院など生活に必要な場所に簡単にアクセスできます。場合によっては自動車を使う必要がありません。

しかし、地方の農村や山間部では自動車がライフラインにアクセスする主要なツールとなっています。自動車のない生活は考えられないという人も多く見られます。しかも、地方は都市部と比べて賃金格差が大きく、高齢化も進行しています。

走行距離税の導入は、都市部と地方という新たな不平等感を生じさせるでしょう。

課金方法確立に長い時間がかかる

世界的に課金方法が確立されておらず、どの方式を選択するのかも頭の痛い問題の一つです。

ニュージーランドでは、ステッカーを事前に購入する方式です。シンプルな方式ですが、警察が距離をチェックする手間や、購入忘れなどの問題があります。

オレゴン州のようにGPSや走行距離計を導入する方式もあります。その場合、必要な機器の導入負担や、膨大なデータを処理する運用方法の確立に時間がかかるでしょう。

走行距離測定で個人情報が漏洩する可能性がある

GPSの場合は移動情報が残ることになります。誰がいつ、どこを、どれだけ走ったのかを記録され、場合によっては漏洩する危険性があります。

最近は財産が自宅に保管されている高齢者宅を割り出し、闇バイトを使って強盗を働くという事件が見られるようになりました。

万が一、住人の行動データが流出した場合、外出するタイミングを見計らって盗みを働くことも不可能ではありません。

また、プライバシーを保護するという観点からも、GPSの活用は批判要素の一つとなるでしょう。

運送会社など長距離を走る事業者への負担が重くなる

配送業などを行う事業者への負担が重くなることも見逃せません。

全日本トラック協会の調査によると、2020年度の貨物輸送事業者の営業利益は-0.4%。なんと、ほとんどの事業者は赤字なのです。3年連続の赤字が続いており、新型コロナウイルス感染拡大という一時的な要因によるものではありません。

これは荷主が強い価格交渉力を持っており、競合との差別化を図りづらい輸送事業者が交渉負けしてしまうという、業界特有の構造的な問題があります。

利益がほとんど出ない、あるいは赤字で事業運営をしている会社にとって、走行距離税の負担は重すぎるでしょう。長距離トラックの事業者であればなおさらです。

事業者への一定の配慮など、業界団体の反発を抑え込まなければ、走行距離税の導入はありえないでしょう。

すでに導入されている自動車関連の税金は? 

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自動車にはすでに様々な税金が課されています。ここで、どのような税金があるのかおさらいしておきましょう。

自動車税

自動車税は4月1日時点で所有している人に対して課されるものです。排気量と自家用・営業用によって税額は異なります。

用途区分総排気量税額・自家用税額・営業用
乗用車1,000cc以下29,500円7,500円
乗用車1,000cc超1,500cc以下34,500円8,500円
乗用車1,500cc超2,000cc以下39,500円9,500円
乗用車2,000cc超2,500cc以下45,000円13,800円
乗用車2,500cc超3,000cc以下51,000円15,700円
乗用車3,000cc超3,500cc以下58,000円17,900円
乗用車3,500cc超4,000cc以下66,500円20,500円
乗用車4,000cc超4,500cc以下76,500円23,600円
乗用車4,500cc超6,000cc以下88,000円27,200円
乗用車6,000cc超111,000円40,700円
軽自動車一律10,800円6,900円

国土交通省

自動車重量税

自動車重量税は新車登録、車検でかかる税金です。車両の重さによって税額が変わります。0.5トンごとに年間4,100円かかります。

新車の登録から13年以上経過すると、税額が上がります。18年以上経過すると、更に上がります。

例えば、1.0トンの自動車に乗っていたとすると、新車登録から12年目までは8,200円が新車登録時、車検時にかかります。

環境性能割

環境性能割は自動車を購入したり、譲受した場合に発生します。環境負荷に応じて課されるものです。新車・中古車に関係なくかかります。

燃費のいいものほど、税率が軽減される仕組みで、電気自動車は非課税扱いになっています。軽自動車も非課税です。

消費税

車両の購入時に消費税10%が課されます。

消費税が10%に引き上げられる前は、自動車取得税が導入されていましたが、2019年10月1日に廃止されました。

ガソリン税

ガソリン1リットル当たりに課される税金です。揮発油税分が48.6円、そこに地方揮発油税分5.2円の負担で、合計53.8円となっています。なお、沖縄県は7円減税されています。これは「沖縄の復帰に伴う特別措置に関する法律」に基づくものです。

電気自動車普及後の課税のあるべき姿は?

走行距離税という言葉にアレルギー反応を起こしている人もいますが、建設的な議論を行うには背景を理解してメリットやデメリットを理解する必要があります。

自動車のコレクターにとっては歓迎すべき税制ともなりえるため、頭ごなしに批判・否定する内容のものではありません。

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