車の名義変更の手続きを自分で行った場合、費用は多くても5,000円程度です。名義変更手続きを行政書士や販売店などに依頼した場合、手数料がかかります。
インターネットオークションなどで個人売買するケースが増えました。譲受した際は名義変更手続きを必ず行ってください。自動車税などのトラブルが発生します。
手続き自体は難しいものではありません。この記事では、手続きにかかる費用の詳細や手続きの方法について解説します。
自動車の名義変更にかかる費用
名義変更手続きには以下のような費用がかかります。
移転登録手数料 | 500円 |
車庫証明書の取得費用 (自治体によっては必要) | 2,000円前後 |
ナンバープレート代 (管轄地域が変更になる場合) | 1,500円前後 |
環境性能割 | 車種次第 |
名義変更手数料 (外部に依頼した場合) | 10,000円~30,000円程度 |
管轄地域が変更にならない場合、ナンバープレート代はかかりません。
名義変更手数料は行政書士や販売店などに依頼した際の金額です。自分で手続きを行った場合は当然かかりません。名義変更の手続きそのものは大したものではありませんが、陸輸局に足を運ばなければなりません。
陸輸局は公共交通機関ではアクセスしづらい場所にあることが多く、行き来に時間がかかります。書類の不備も避けられ、手続きが煩雑だと感じる人は代行を依頼するのが良いでしょう。
自動車税の一つ環境性能割とは?
上の表で気になるのが環境性能割です。これは自動車取得税の仕組みが変わって適用されるもので、税金を指します。
中古車の環境性能割の税額は車種、年式、環境への負荷によって変化します。以下のような計算式で算出されます。
課税標準基準額 × 残価率 = 取得価額(1,000円未満切捨て) 取得価額 × 環境性能割の税率(非課税、1%、2%、3%)= 環境性能割の税額 |
課税標準基準額は車検証に記載された型式・車種などからグレードを判断し、新車価格から正当な値引額を適用した金額です。概ね新車価格の9割と考えると良いでしょう。
残価額は経過年数から算出される掛け率です。新車を1.0とし、1年経過で0.681、2年経過で0.464などと減価します。なお、この数字は自家用の普通・小型車のものです。
この2つの項目から取得価額が算出されます。これが取得するための対価として支払うべき金額であり、現在価格に相当する金額を示しています。ただし、購入額とは必ずしも一致しません。
土地の固定資産税評価額は公示価格の7割程度と言われています。環境性能割も税額を算出するための機械的な評価方法の一つだと考えてください。取得価額と購入額に差が生じても、決しておかしなことではありません。
取得価額に環境性能に応じた税率が課されます。燃費基準がいつのものに適合しているかなどを基に税率が決まります。なお、取得価額が50万円以下の場合は税金は課されません。
名義変更手続きの流れ
名義変更の手続きは以下のようなステップで行います。窓口での手続き時間は、長くても1時間程度です。
- 必要書類の準備
- 新所有者の管轄地域の陸輸局(軽自動車検査協会)へ行く( ナンバー変更が必要な場合は車も必要)
- 窓口で手数料納付書・申請書を入手
- 手数料分の印紙を購入
- 申請書を作成
- 申請書を提出
- 新しい車検証の交付
- 自動車税・自動車取得税の申告
- 交付窓口に古いナンバープレートと新しい車検証を渡す(管轄地域が変わる場合のみ)
- 新しいナンバープレート受取・封印(管轄地域が変わる場合のみ)
- 手続き終了
手続きを行う上で気を付けるべきポイントは、譲渡する人と譲受する人の両方に必要な書類があることです。
必要書類は次章で説明します。
必要な書類は?
提出する書類は自分で手続きを行うか、普通自動車・軽自動車によっても異なります。それぞれについて解説します。
自分で手続きする場合
譲渡する人(旧所有者)が用意すべき書類は、印鑑証明書の印鑑が押された譲渡証明書、印鑑証明書、車検証、印鑑証明書の印鑑が押された委任状です。なお、譲渡する人が手続きをする場合は委任状は必要ありません。
譲渡証明書と委任状には決められた書式がなく、国土交通省が定めた項目を満たす必要があります。インターネットでテンプレートをダウンロードできます。
譲渡証明書には、車種・型式・車台番号・原動機の型式、譲渡年月日、譲渡人と譲受人の氏名と住所、譲渡する人の実印が必要です。項目を満たしていないと、受け付けてもらえません。
【必要書類】
- 譲渡証明書(旧所有者の実印の押印があるもの)
- 旧所有者の印鑑証明書(発行日後3ヵ月以内)
- 車検証(車検が切れていないこと)
- 新所有者の印鑑証明書(発行日後3ヵ月以内)
- 委任状(旧所有者の実印の押印があるもの)
- 新使用者の車庫証明書(発行日後おおよそ1ヵ月以内)
- ナンバープレート(管轄地域が変わる場合。なければ車両番号標未処分理由書)
- 手数料納付書(運輸支局に用意)
- 自動車税・自動車取得税申告書(運輸支局に用意)
- 申請書(運輸支局に用意)
<軽自動車を自分で名義変更する場合に必要な書類>
軽自動車の場合で、当事者が名義変更を行う場合は委任状は必要ありません。ただし、販売店などの第三者が行う場合は委任状が必要になります。
軽自動車は実印が必要ないため、揃える書類は少ないのが特徴です。
【必要書類】
- 旧所有者の申請依頼書(認印の押印があるもの)
- 車検証(車検が切れていないこと)
- ナンバープレート(管轄地域が変わる場合。なければ車両番号標未処分理由書)
- 新所有者の申請依頼書(認印の押印があるもの)
- 新使用者の住所を証する書面の写し(マイナンバーが記載されていない住民票な ど・発行後3ヵ月以内)
- 自動車検査証記入申請書(軽自動車検査協会に用意)
- 軽自動車税(種別割)申告書(軽自動車検査協会に用意)
- 軽自動車税(環境性能割)申告書(軽自動車検査協会に用意)
代行業者に依頼する場合
外部の人に依頼する場合は、印鑑証明書や委任状の作成が必要です。
【必要書類】
- 譲渡証明書(旧所有者の実印の押印があるもの)
- 旧所有者の印鑑証明書(発行日後3ヵ月以内)
- 旧所有者の委任状(旧所有者の実印の押印があるもの)
- 車検証(車検が切れていないこと)
- 新所有者の印鑑証明書(発行日後3ヵ月以内)
- 新所有者の委任状(新所有者の実印の押印があるもの)
- ナンバープレート(管轄地域が変わる場合。なければ車両番号標未処分理由書)
名義変更をしないで譲渡するとどうなる?
車の名義変更をせずに乗っていた場合はどうなるでしょうか。法律的には道路運送車両法違反で、50万円以下の罰金が課されます。罰金刑の対象となるため、所有者が移転した場合は必ず手続きを行ってください。
その他にも、多くのトラブルが予想されます。
事故・違反の慰謝料や違反金を支払う必要がある
事故や違反を起こした場合、違反の通知は運転者ではなく所有者に送付されます。駐車違反など反則金を支払うこととなり、場合によっては出頭要請に従わなければなりません。
重大な事故を起こし、歩行者などを死亡させた場合は慰謝料を請求される可能性もあります。所有者が移転しており、運転者ではないことが証明できれば責任は免れますが、あらぬ疑いがかけられることは避けられないでしょう。
所有者が家族内での移転であっても、名義変更の手続きは行いましょう。
自動車税を負担する必要がある
自動車税は4月1日時点での所有者に対して課される税金です。5月上旬に納付書が届きます。仮に個人間売買で3月末に取引を行い、名義変更をしなければ旧所有者が課税対象となります。
名義変更をするときに注意すべきポイント
名義変更をする際に気をつけるべきポイントを紹介します。
自賠責保険の名義を変更する
自賠責保険は車にかけられる保険です。車検期間が残っていれば補償されます。ただし、自賠責保険だけを譲渡しないという取り扱いはできず、契約者の変更を行わなければなりません。もし、事故が起こった場合には、手続きに手違いが生じることがあります。
必ず自賠責保険の契約者変更手続きを行ってください。
【必要書類】
- 自賠責保険証明書
- 自賠責承認請求書(保険会社で用意。譲渡人と譲受人両方の押印があること)
- 譲渡意思の確認ができる書類
- 保険契約者(譲渡人)の実印と印鑑証明書
- 本人確認書類(免許証・保険証など)
必要書類を揃え、自賠責サポートセンターに郵送することで手続きは完了します。
任意保険の名義を変更する
任意保険は搭乗者や車両、モノにかけられています。名義変更をして車を手にした場合は加入または手続きを変更します。
保険内容の変更には、ナンバープレートの番号や型式、車台番号などの情報が必要です。
家族内で名義変更する際は任意保険を見直す
家族内で名義変更した場合、任意保険の等級引継ぎができます。親から子へ譲渡すると、等級がそのまま引き継がれるので、保険料が安く済むことがあります。
等級とは、契約の保険を使用した事故の有無や事故内容、保険の使用回数などに応じて1等級から20等級で設定されるものです。原則的には6等級からスタートします。数字が大きいほど信頼性が高く、保険料が安くなります。数字が小さいと事故などの問題を起こすことが多く、保険料が高くなります。
配偶者や同居親族は等級の引継ぎができます。
自動車の譲渡・売却をする際は確実に名義変更を行おう
自動車の譲渡や売却を行う際は必ず名義変更手続きを行ってください。特にトラブルが多いのが、個人間売買です。取引をする際は、譲渡する人または譲受する人のどちらが手続きを行うのかを明確にしましょう。曖昧なままで引き渡すと必ず問題が起こります。
取引完了後も連絡が取れる手段を用意し、譲渡証明書や委任状、印鑑証明、などを受け取れるようにしてください。必要書類を事前に確認しておけば、スムーズに取引できます。
名義変更する際は、同時に自賠責保険の契約者変更の手続きと、任意保険の名義変更や新規加入を行いましょう。家族間での譲受であれば、任意保険は等級を引き継ぐことをおすすめします。
もし、自分で手続きを行う事に不安があるようなら、第三者に代行してもらうことも検討しましょう。名義変更に必要な費用は5,000円程度で、代行を依頼すると安くても10,000円程度はかかります。手続きそのものよりも高額になりますが、煩雑なやり取りが減り、何より陸輸局に足を運ぶ手間が省けます。
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