浸水した不動車でも買取は可能？水没車の売却方法をパターン別に紹介

最近、集中豪雨で車が水没してしまったという相談が相次いでいます。多くの人が水没車は廃車にするしかないと思い込んでいますが、必ずしもそうとは限りません。浸水したレベルによっては買取も可能です。

エンジンに水が入ると、不動車となるケースがあります。それでも買取ができることもあります。ポイントは専門店に相談することで、水没後に素早く行動することが求められます。

この記事では、水没車を買い取ってもらう方法や、水没した場合の対処方法を解説します。

水没車の査定基準 

水没車は、どこまで水が侵入したかが一番のポイントになります。これは浸水した部分によって車が受けるダメージが全く異なるため。タイヤの半分ほどであれば、ブレーキローターの交換で済むこともありますが、マフラーまで浸水しているとエンジン内に水を吸い込んでしまい、オーバーホールやエンジンの乗せ換えが必要になることがあります。

そのため、一般財団法人日本自動車査定協会（JAAI）は、水没レベルによる査定基準（減点率）を設けています。

※一般財団法人日本自動車査定協会

水没した車を買取専門店などに持ち込む際は、どの程度まで浸かったのかを説明できるようにしておくと良いでしょう。

また、水没車はレベルに応じて持ち込む場所が異なります。ここで紹介するのはあくまでおすすめの場所であり、買取対応しない店舗や、水没車の取り扱いができない会社もあります。

レベル①：フロアパネルまで→買取専門店

フロアパネルまでの浸水であれば、ひとまず買取専門店に持ち込みましょう。買取をしてもらえる可能性があります。ただし、減点率は30%であり、大幅な減額は避けられません。

1990年に誕生したトヨタのエスティマは、居住性を高めるためにアンダーフロアエンジン方式という床下にエンジンを搭載する方式を採用しています。

このようなタイプはエンジンが浸水している可能性が高く、買取対象にはなりづらいでしょう。

レベル②：シート上部まで→買取専門店

シートまで浸水している場合、電気系統、駆動系、足回りに深刻な被害が出るだけでなく、カビや雑菌による車内の異臭が発生する可能性が高まります。買取は難しいようにも感じますが、水没車の修復やクリーニング技術は向上しており、高級車や輸入車であれば、買取対象となることがあります。

希少性の高い車や趣味性の高い車、人気のある高級車は、専門の買取店に持ち込むことをおすすめします。買取を断られたら、廃車買取業者に相談してください。浸水していないパーツに値段をつけてくれることがあります。

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レベル③：ダッシュパネル上部まで→廃車買取業者

このレベルまで浸水していると、エンジンがダメージを受けていると予想できます。廃車買取業者が相応しいでしょう。鉄やアルミなどの原材料に値段をつけてくれることがあります。

ただし、無料の引き取りや1,000円～2,000円程度となることも少なくありません。ダッシュパネル上部まで浸水した車の高額査定は、期待できません。

水没した際の注意点

水没車は扱い方にコツがあります。無暗にエンジンをかけたり運転をせず、レッカーで整備工場に持ち込み、修復・修理するなどの対応が求められます。

無理にエンジンをかけない

水没車はエンジンをかけると、バッテリーがショートして発火することがあります。特にハイブリッド車や電気自動車は高電圧のバッテリーを搭載しており、発火しやすいと言われています。

水没した車のエンジンをかけるのは避けてください。

JAFは、水が引いた後も絶対にエンジンをかけてはいけないと注意喚起を行っています。エンジンに水が入るとエンジン内のピストンが圧縮を行えず、エンジン自体が破損する恐れがあるためです。

また、水没車を放置するのも危険です。

2021年8月28日に、佐賀県武雄市で自宅に止めてあった乗用車1台が全焼しました。この車は電気自動車で、一時ハンドル付近まで水没していました。それから数日経過した後、発火しています。

住宅などに延焼する可能性もあり、早めに対応することが重要です。

すぐに査定を行う

水に浸かった車は、カビや雑菌が繁殖しやすくなります。大雨による突然の出来事で途方に暮れるのも分かりますが、買取専門店などに迅速に相談しましょう。

その際は、レッカー車の手配を行ってください。

保険の対象となるのか確認する

浸水で修理不能となった場合や修理代が保険金額を超えた場合は、全損となります。保険金が支払われるのが普通です。ただし、保険によって扱いが異なるので確認してください。

浸水でも地震による津波が原因の場合は、車両保険の補償対象外となります。台風、ゲリラ豪雨、高潮などは補償の範囲内です。

水を抜いてカビや雑菌の繁殖を抑える

もし、買取店などに相談したものの、レッカー車の調整などで持ち込みまでに時間がかかる場合、応急処置として車内の水抜き、清掃を行ってください。

タオルなどで水分を吸い取り、車外に水を出すだけでもカビの繁殖スピードは抑えられます。

水没車を高く売るポイントは？

水没車であろうとも、なるべく高く売りたいもの。そのコツを紹介します。

専門店に依頼する

何よりも専門店に相談することが重要です。特に高級車や輸入車の場合、その価値が分からずに機械的に査定をする会社も少なくありません。

車の希少価値やオプションパーツを見極め、それに見合った金額を出す店舗が相応しいでしょう。

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複数の会社に査定を出す

いくつかの会社や店舗で査定してもらうのもおすすめです。思わぬ高値を提示するところもあります。

ただし、水没車は出張査定になることが多いため、査定時に手数料が発生します。

水没車の修理は可能？

どうしても手放したくない場合は、修理を検討しましょう。水没レベルによって、修理の内容や金額が異なります。

タイヤの下半分ほど

このレベルであれば、修理費用は10万円に収めることができるかもしれません。

交換が必要なのが、ブレーキローター。ブレーキに使われるディスクの一つです。腐食しやすい素材を使っているため、水に濡れると錆びることがあります。1つ2万円、4つで8万円程度です。

もし、ドライブシャフトの交換が必要な場合は20万円程度の費用がかかります。

【主な修理費用】

タイヤの上半分ほど

このレベルだと、ドライブシャフトの交換が必須になります。数十万円の出費は覚悟しましょう。

もし、マフラーが浸水していた場合は、深刻なエンジントラブルが生じている可能性があります。バッテリーや配線、発電機、センサーの交換も視野に入ります。

【主な修理費用】

マフラー・フロアまでの浸水

乗り続けることは不可能に近く、買取店に相談するか廃車にすることをおすすめします。もし、貴重な車でどうしても修理したいのであれば、100万円程度は見積もってください。

車を支えるパーツが劣化しているために全体を補強し、エンジンの乗せ換えが必要になります。シートも交換しなければなりません

【主な修理費輸】

水没車の清掃やニオイ除去はできる？

クリーニングは可能です。ただし、どこでも清掃を引き受けてくれるわけではありません。専門的な知識やノウハウ、スキルがある店舗に相談してください。

特に高級車や輸入車のクリーニングは、カビが発生しやすい箇所や故障しやすい部品などの知識を持った店舗への相談が欠かせません。

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水没車の相談は専門店へ！

水没車であっても、買取は可能です。浸水したレベルを把握し、買取専門店に相談してください。高級車や輸入車の場合は、プロフェッショナルが揃う店舗に相談することをおすすめします。知識のない店舗の場合、貴重な価値を見逃してしまうからです。

水没車は廃車を検討する前に、売却ができないか調べることが重要です。

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