トヨタのハイエースの中古車価格が高騰しています。10年落ちの中古車でも、150万円以上で販売されることもあるほど。買取価格も安定しており、走行距離が7万キロを超えているロングDXは120万円以上の値段がつくこともあります。
ミニバンで人気のアルファードやヴェルファイアも価格が落ちないことで知られていますが、ハイエースはもともと商用車。荷物を運ぶことを目的に開発された車です。
なぜ、これほど高値で取引されているのでしょうか。
ハイエースが高値で取引される理由
ハイエースの価値が高いのは、タフで耐久性に優れ、機能的かつカスタマイズしやすいという特性によるものです。
海外でも実用性が高く評価されているため
ハイエースは海外でも需要が高まっています。アフリカやアジアの新興国では、劣悪な条件でも故障することなく走り、燃費も良い実用車として広く認知されています。荷物や人の運搬で活躍しているのです。
海外で人気のある車にランドクルーザーがあります。ランドクルーザーは日常の足や長距離の移動など、人々の生活に密着するものとして使われています。ハイエースは商用目的で活用されるケースが多く、車を使って稼ごうとする意識があるため、高値でも購入する傾向があります。
不名誉なことにハイエースは高値で売却できるために盗難も多く、秘密裡に盗難車を海外に輸出するケースもあるといいます。
アウトドアブームでキャンピングカーのベース車として使われているため
日本においては普段の足として使われるだけでなく、派手な改造をするドレスアップカーや車中泊を目的としたキャンピングカーのベース車として人気があります。改造するために車を入手する場合、アルファードのような内装が整っているものよりも、シンプルなハイエースの方が手を入れやすいのです。
特にキャンプブームを背景とした、キャンピングカーのベース車としてハイエースを探しているドライバーを多く見かけるようになりました。
ハイエースを改造して作るバンコンバージョンは、トラックなどをベースとするキャブコンバージョンと異なり、扱いやすいという特性があります。燃費も比較的良いため、キャンピングカー初心者に人気があります。
アフターサービスが充実しているため
トヨタの車はアフターサービスも充実しています。一般保証は3年または6万キロのいずれか早い方までで、消耗部品やオイルを除く一部の部品以外で、保証条件に当てはまる場合は無料で保障修理が受けられます。
ボディ外板の表面に発生したサビも塗装保証として、保証の対象になります。
ハイエースはもともと耐久性の高い車ですが、手厚いアフターサービスによって安心して乗ることができます。
ハイエースの種類
次に種類を見ていきましょう。ハイエースは種類が豊富で、購入する際はタイプやグレードの見極めが欠かせません。
ハイエースバン
ハイエースバンは商用車として開発されたモデルで、シンプルかつ広い荷室が魅力の車です。ボディの形状は様々なものが用意されており、用途に応じて選ぶことができます。定員も2~9人まで選択できます。
現行車においては、ガソリン・ディーゼルの両方がラインナップされています。ディーゼルは重量が重くなる一方で、パワーがあって燃料代が安いという特徴があります。
ハイエースワゴン
ハイエースワゴンは乗用車として人気が高いタイプ。定員が10人で、大人数での移動に適しています。ハイエースバンよりも乗り心地に優れており、内装に高級感が感じられます。
ミニバンよりも大人数で乗りたいと考える人に向いています。このタイプにディーゼル車はありません。
ハイエースコミューター
ハイエースコミューターは3つの中では最も車体が大きいタイプで、幼稚園の送迎バスなどとして活用されています。店員は14人です。
中型自動車の区分になるため、中型免許を持っていなければ運転することができません。
ガソリンとディーゼルのどちらかを選ぶことができます。
ハイエースバン グレードの違い
ハイエースは多様なグレードを用意しています。これが分かりづらさの一つになっていますが、違いを理解すると選択の幅が広がります。
DX
DXは基本グレードです。荷物を運ぶことを目的としており、エアコン、パワーウィンドウなどの最低限の機能がついています。
ガソリン2WDが239万円~、ディーゼル2WDが322万円~と、手に入れやすい価格で販売されています。
DX“GLパッケージ”
DX“GLパッケージ”は、中間に位置するグレードです。DXと大きな違いはありませんが、メッキフロントグリルやカラードバンパー、フルホイールキャップなど見た目の豪華さが加わっています。
電動格納式リモコンドアミラー、プライバシーガラスなど、機能面も充実させているのが特徴です。
ガソリン2WDが255万円〜、ディーゼル2WDが317万円〜。ボディの形式などによっても価格は異なりますが、DXとさほど差はありません。
スーパー GL
スーパーGLは乗用車としても使える装備が充実したグレードです。後部座席の2段階調整式スライド、リクライニング、分割式ヘッドレスト、リアクーラー、リヤヒーターが標準で装備されています。
メッキアウトサイドドアハンドル、メッキフロントグリルなどのメッキパーツが使われており、外装は高級感があります。
ガソリン2WDが314万円~、ディーゼル2WDが375万円~。ベースのグレードよりも、やや割高になっています。
スーパーGL “DARK PRIME II”
スーパーGL “DARK PRIME II”は、スーパーGLと基本スペックは変わりません。ボディカラーとして特別限定色の「スパークリングブラックパールクリスタルシャイン」を選択できます。
独特の存在感があり、見た目にこだわりたい人向けのグレードです。
ガソリン2WD328万円〜、ディーゼル2WD388万円〜。スーパーGLよりも10万円から20万円程度高く設定されています。
ハイエースワゴン グレードの違い
次にハイエースワゴンのグレードを紹介します。
DX
DXはベースとなるグレードです。シンプルで価格が300万円前後と手を出しやすいのが特徴です。
先進の予防安全パッケージ「Toyota Safety Sense」を標準装備しており、アクセルペダルの踏み間違いによる衝突を防ぐパーキングサポートブレーキなどの安全機能がついています。
ガソリン2WDが290万円〜となっています。
GL
GLはDXよりも室内の長さに余裕があります。装備も充実しており、スライドドアボルトホルダー、ワイヤレスドアロックリモートコントロールキー、電動格納式リモコンドアミラーが装備されています。
メッキエンブレム、メッキフロントグリルなど、エクステリアも豪華な作りになっています。
ガソリン2WDが318万円〜。広さや装備、外装にこだわる人に向いています。
グランドキャビン
グランドキャビンは、ハイエースワゴンの中で最も大きい全長5,380mmのスーパーロングです。ハイルーフタイプで、DXやGLよりも175mm高く作られています。居住性の高さは他の追随を許しません。
10人乗車可能で、後方に荷物を積むゆとりが十分にあります。大家族で旅行に行く機会が多い人に向いています。
ガソリン2WDが372万円〜。車体のサイズが大きくなる一方で、DXなどとの価格差も大きくなっています。
ハイエースコミューター グレードの違い
最後にハイエースコミューターのグレードを紹介します。
DX
DXはベーシックなグレードで、装備はシンプルなものに留まっています。ただし、安全装備についてはGLと変わりません。
DXはGLよりも室内幅がやや広めにとられています。シートはジャージ素材で手入れがしやすくなっています。
ガソリン2WDが323万円〜、ディーゼル2WDが373万円〜。シンプルで居住性の高い車だと言えるでしょう。
GL
GLはDXよりも装備が充実しています。スマートエントリー、バックドアインサイドハンドル、メッキエンブレム、リヤトリムポケットなどが採用されています。
シートはトリコット素材。DXよりも高級感があります。
ガソリン2WDが332万円、ディーゼル2WDが381万円~。上質な空間を求める人に向いています。
ハイエースで人気のモデル
ハイエースはどのようなモデルに人気があるのでしょうか?
ハイエースバン スーパー GL
2004年の登場から圧倒的な人気を維持しているのが、ハイエースバン スーパーGL。このモデルはハイエースワゴンを意識した上質な装備が備わっており、商用車とは思えないスタイリッシュな見た目が人気を集めています。
積載量、耐久性は初代から失われることなく、従来のファンからも愛され続けているモデルの一つです。
ドレスカーのベース車として使われることも多く、中古車市場でも高値で取引されています。
ハイエースバン DX
ベーシックなモデルで、商用車としての毛色が強い車です。これまではあまり注目を集めることはありませんでしたが、キャンピングカーのベース車として急速に人気が高まりました。
その他にも、自転車やサーフボード、カヌーなどのアウトドアレジャーに必要な道具を運搬する車としても需要が高まっています。
ハイエースとキャラバンの相場比較
ハイエースの購入を検討する際、比較対象になるのがキャラバン。大きさはよく似ており、エンジン性能や燃費も比較的似通っています。
ただし、ネームバリューやカスタムパーツの豊富さという点では、キャラバンよりもハイエースに軍配が上がります。そのため、中古市場でもハイエースの方が高値で取引されています。
同じ走行距離、年式のハイエースとキャラバンを比較すると、ハイエースバンが290万円前後で取引されてるのに大して、キャラバンは200万円以下となっています。
ハイエースの方がリセールバリューが高いと言えるでしょう。
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価格高騰はいつまで続く?
半導体不足による車両不足は解消され、一時期よりも中古価格は落ち着きました。ただし、ハイエースは国内外で需要が高く、人気が根強い車です。価格の高止まりはしばらく続くと予想できます。
ハイエースの購入や売却を検討している人は、早めの決断をおすすめします。
実用性と楽しさを兼ね備えたハイエース
商用車として絶対的な信頼性を構築したハイエースは、近年になって乗用車として注目を浴びるようになりました。特にアウトドアシーンで活用されることが多くなり、壊れない車というブランドを築いたことが大きな武器になっています。
ハイエースを改造する楽しさは唯一無二。遊びの可能性を無限に広げてくれます。
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