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冠水道路を走って車が水没!修理と売却のどちらが得になるのか徹底解説

ゲリラ豪雨や台風、長雨で冠水した道路に車で侵入してしまった!気候変動による集中的な雨が珍しくなくなり、自動車トラブルを起こすケースを見かけます。車の浸水は想像よりも深刻化しているケースがあり、正しい知識を持つことが重要です。

決してパニックにならず、落ち着いて行動しましょう。水没したらエンジンを止め、漏電を防いでください。マフラーから水を吸い込むと修復不可能になることもあります。

この記事では、冠水した道路に侵入した場合に修理ができるかどうかや、トラブルを回避する方法を解説します。

どこまで水没したのかが最も重要

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水没した際、気になるのは修理ができるのかどうか。これは浸水したレベルによって異なります。以下の3段階に分けることができます。どのレベルでも修理することは可能です。ただし、金額が全く異なります。

  • タイヤの下半分ほど
  • タイヤの上半分ほど
  • マフラー・フロアまでの浸水

タイヤの下半分ほど

8万円程度の修理で済むケースが多いのが、タイヤの下半分が水没したケースです。この場合、ブレーキローターを交換しなければなりません。ディスクブレーキを構成する円盤状のパーツです。

ブレーキローターは腐食しやすい素材を使っており、サビが発生することがあります。1つ2万円程度で、すべて交換すると8万円です。

ドライブシャフトが水に浸かっていることもあります。ドライブシャフトはエンジンで得た動力をタイヤに伝える重要なシャフトです。スムーズに回転するよう、大量の潤滑油が使われています。浸水して劣化すると、回転不良を起こします。

ドライブシャフトを交換する場合、20万円程度の費用が発生します。

タイヤの下半分が水没した場合、交換などの修理が必要だと予想される部品は以下の通りです。

部品価格
ブレーキローター2万円/1輪
タイヤ5千円/1輪
ドライブシャフト20万円

部品代の他に工賃などが発生します。

交換が必要かどうかは、プロの目で判断してもらってください。近くの整備工場に持ち込むことをおすすめします。

タイヤの上半分ほど

タイヤの上半分まで浸水すると、ドライブシャフトの交換は避けられないでしょう。

タイヤが水没する状態は、深刻なダメージを受けていることが少なくありません。マフラーに水が入った場合、深刻なエンジントラブルが発生します。マフラーが水を吸い上げてエンジンが浸水してしまうためです。

エンジンに水が入った場合、分解して中の状態を確認しなければなりません。修理するかどうかのチェックをするだけでも、相当なお金がかかると考えてください。

また、電気系統にトラブルが発生することもあります。バッテリーや発電機、配線などを入れ替える必要があります。

現代車は数多くのセンサーで制御をしています。エンジンだけでなく、エアコン、カーナビ、エアバッグ、自動走行システムなどが連動していることも少なくありません。そのため、一つが壊れると別のセンサーにも問題が生じることがあります。

センサーは1台の自動車に60個程度搭載されています。車はガソリンで動いているのは間違いありませんが、電気で制御しているのが実態です。そうした部品が水に浸されると、何らかの問題を起こすのはほぼ間違いありません。

タイヤの上半分まで水に浸かった場合、以下のような修理が想定されます。

部品価格
バッテリー2万円
駆動用バッテリー15万円
センサー類10万円
スパークプラグ5千円
イモビライザー3万円
セルモーター3万円
発電機10万円
エンジンコントロールユニット10万円~

タイヤが全て水没してしまったら、数十万円の修理費を覚悟しましょう。このレベルが、修理をするか廃車にするかの分かれ目です

マフラー・フロアまでの浸水

車内が浸水している場合、エンジンルームにも水が入っていると考えられます。エンジン交換を行う必要があるでしょう。タイプにもよりますが、非常に高額です。

フロア内に水が入ると、車を支える各パーツの腐食が進みやすくなります。仮にエンジンを乗せ換えて走れる状態にしても、パーツの劣化は早まる可能性があります。シートなどのカビも繁殖しやすく、乗りづらい状態になるでしょう。

修理の相場は出しづらい領域ですが、概ね以下の通りです。

部品価格
エンジンの乗せ換え30~100万円
エンジンのオーバーホール50万円
シート5万円(フロントシート)

よほど気に入っている車ではない限り、乗り続けることはおすすめしません。

任意保険で修理代は補償される

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任意保険の車両保障に加入している場合は、修理代は保険が適用されます。修理に適用されるのは一般補償タイプです。

ただし、津波や地震などの予測不能な自然災害の場合は対象外となります。津波などで浸水してしまった場合、特約をつけていなければ補償対象にはなりません。

台風、大雨、洪水は補償の対象になります。

エンジンに浸水して修理不能となった場合、全損と判定されて保険金が支払われます。ただし、全額が補償されるわけではありません。車両保険金額の支払い上限までです。

廃車ではなく売却を検討しよう!

タイヤの上まで水没すると、修理を諦めた方が経済的なことがあります。廃車にしようと思うかもしれませんが、買取専門店に売却することも検討してください。高級車であれば、値段がつくこともあります。

専門業者ではないディーラーは、水没車を積極的に買い取ろうとはしません。買取専門店に依頼するのが良いでしょう。

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タイヤの上半分が浸水したとしても、売却できる可能性はあります。ただし、エンジンや電気系統にまで浸水すると、売却は難しくなります。

修理や売却を決断する際の注意点

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修理や売却の判断をするポイントを解説します。

早めの判断が最も重要

修理などの判断は早い段階で行ってください。水没すると、腐食が進行するだけでなく、カビが発生することがあります。特に気温が高い時期は、放置するとすぐに雑菌が繁殖して悪臭を放ちます。

レッカー車で移動してもらい、整備工場などに運び込む手配を取るのが良いでしょう。

海水の場合は決してエンジンをかけない

もし、海水に浸かってしまった場合、決して自分で動かそうとはせずにJAFや消防署などに相談してください。海水が浸水した車のエンジンをかけると、発火する恐れがあるためです。

発火するのは、海水には電気を通す性質があるため。ハイブリッドカーはブレーカー機能を備えていないものが多く、バッテリー端子まで海水が行き渡るとショートして燃え上がります。

2018年の台風では、20件の車両火災が報告されています。エンジンをかけなかったとしても、火災を引き起こすことがあります。

なお、台風などで海水を被ってしまった場合の対処法は以下の通りです。ただし、電気自動車やハイブリッドカーの場合は決して触れないようにしてください。

  • エンジンをかける前に十分に確認し、浸水している場合は、急にエンジンをかけない。
  • ボンネットを開け、エンジンルームが水につかっていないか確認する。
  • 浸水した自動車の火災発生を防止するため、バッテリーのマイナス側のターミナルを外す。
  • 外したターミナルは、テープで巻くなど絶縁処置し、バッテリーに触れないようにする。

カビや腐食を早めに抑えよう

フロアに浸水した場合、濡れた状態で置いておくのではなく、水を可能な限り吸い取るのが良いでしょう。防カビ剤などを使うのも効果的です。早い段階でこれらを抑え込んでおくと、修理ができた後も快適に使えます。

クリーンな状態にしておくことで、売却する際も有利になることがあります。

水没の被害や事故から身を守るためには?

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水没する確率を少しでも下げるにはどうすれば良いでしょうか。車に致命的なダメージを与える水没を回避しましょう。

冠水しやすい場所を押さえておく

居住エリアで、冠水が頻繁に起こる場所を覚えておきましょう。

国土交通省関東地方整備局は、関東地方の道路冠水注意箇所マップを公開しています。例えば、国道20号の初台アンダー、国道4号の本町アンダー、国道246号の渋谷駅ガード下など135カ所が東京都の注意リストに入っています。

このマップでは、ゲリラ豪雨などで排水能力を超えた場合に、一時的に水が溜まる場所を知らせています。

冠水箇所を事前に把握しておくことは、最も効率的な回避方法です。国土交通省以外にも、市区町村単位で冠水場所のリストを公開してる自治体もあります。

実際に車を走らせている際に当たりをつけて置くことも有効です。特にアンダーには注意してください。

水没後はレッカー車を手配しよう

タイヤの下半分ほどが水に入った場合、慌てずに速度を落とし、バックなどでその場から離れてください。急にエンジンを吹かすと、マフラーから水を吸い上げる原因になります。

水位が上がってきたら、エンジンを切って速やかに消防署やJAFに連絡します。水没したら、基本的にレッカー車で移動するものだと考えてください。

万が一車外に出られなくなったら?

深い場所まで水没すると、ドアが開かなくなります。一般的に70cm以上水に浸かると、ドアを開けるのに強い力が必要だと言われています。水圧がかかるためです。

もし、水圧によってドアが開けられず、窓ガラスも開かなくなったらどうすれば良いでしょうか。気持ちが焦るのは当然ですが、車内に水が入るとドアは開けやすくなります。落ち着いて中に水が入るのを待ってください。

緊急脱出用ハンマーを車の中に入れておくと便利です。シートベルトをカッター部でカットすることができ、窓ガラスを割ることができます。

冠水部や湖などの場合、車はエンジンが積まれている前方から沈み込みます。運転者の方から傾くため、パニックを引き起こしやすいと言われています。そうなることをあらかじめ把握し、万が一のときに備えましょう。

車内に取り残されても、車内にはすぐに浸水しません。脱出のタイミングを見計らって大きく息を吸い込み、ドアを開きます。

池や河などに車が転落する事故は毎年数十件発生しています。トラブル時の対処法を身に着けてください。

マフラーが水没したら修理よりも売却がおすすめ

高級車が水没した場合、軽微なものであれば、売却することをおすすめします。買取専門店であれば、想定していたよりも高値で売れたという事も少なくありません。水没車には一定の査定基準があり、フロアまでの冠水で30%の減点、クッション上部で40%減点などと決められています。

タイヤの上半分が水没しても、高値で売れる可能性があるのです。修理を諦めても、廃車にするという判断は早計です。まずは買取専門店に相談しましょう。

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